伝説の名勝負

2日に放送されたNHKBS「伝説の名勝負 不屈の闘志激突 85新日鉄釜石×同志社大学
をようやく見る。

シーズン終盤の枯れた芝生が懐かしい。

大学と社会人のチャンピオンが対等に戦えた時代。
27年前の試合なのにいまだに細部を覚えている。
当時、それだけ注目度の高い試合だったのだろう。

ゲームのVTRを観ながら、松尾雄二氏と平尾誠二氏の対談で番組が進む。
当時はあまり気づかなかったけど、堀越慈さんの解説は、選手の気持ちや心の動きをものすごく的確に表現しているな。
そして実況の土門アナが、選手のことを本当によく知っている。

進行役の村上晃一さんの、かゆいところに手が届く最小限の質問がうれしい。
運動部の上下関係とは無縁な感じのする平尾氏が、松尾氏にかなり気を遣っているのが笑える。
松尾氏は、それだけ特別な存在なんだろうな。
村上氏の「このころはもう麻酔が切れてだいぶ足が痛いんじゃないですか」という問いかけを必死にはぐらかそうとする松尾氏。
もう四半世紀も前のことなんだから、そこまで意地にならなくてもいいじゃない(笑)

ハーフタイム。ケガの具合が思わしくない監督兼SOのことが心配で、試合に集中できず思うようにプレー出来ない釜石のFWに、「松尾のことは心配するな。自分の仕事をしろ。」の一言で、後半見事にチームを立て直した寡黙な洞口キャプテンが印象的。
試合前日「お前がいないとみんな心細いんだ。5分でもグラウンドに立てないか」と言った人の言葉とは思えない。
ラグビー部のキャプテンは、難儀だ。

・・・

奇しくも、神戸製鋼阪神淡路大震災を経験した平尾氏と、釜石復興のために尽力する松尾氏。
番組の最後に、現在の釜石の様子が映し出される。
松尾氏は、「ぼくには、ラグビーを通してくらいしか出来ることはない」と言うが、
ラグビーだからこそ出来ることがあると思う。

いまこそ、スクラム釜石。