第11回武田の杜トレイルランニングレース

f:id:ruglove2019:20191209113648j:plain

トレイルランニング4戦目。この大会は前年に続き二度目の参戦。前回、スタート時になんとなく後方に位置してしまい、序盤のシングルトラック(人がひとりしか通れない幅の道)のエリアで、渋滞に巻き込まれ、レース前半を思うように走れなかった反省を踏まえ、今回は前方に位置取りをし、スタートダッシュを決め込む。

最初の3kmは比較的広いロード区間。トレイル区間に入る3km地点での順位が後々のレース展開に大きな影響を与えるので、31.5kmの長丁場だということは忘れたふりをしてキロ4分台で突っ込む。いきなり心拍数MAX。気温は2℃だが、寒さは感じない。トレイル区間に入り、上位1/4あたりのポジションで、昨年はハイキングのように歩いた区間を集団で快調に飛ばす。上りと平坦な区間では集団のなかで比較的楽にレースを運べるのだが、下り区間になると前のランナーにするすると離され、後方からのイライラ感を背中に感じる。もちろん下りだから、上りや平坦な区間よりスピードに乗ってはいるのだが、速度の上げ幅が周りとはどうも違うらしい。この位置にいるランナーと戦うには、まだまだ都会っ子すぎるのか。8km地点の第1エイドには昨年より20分ほど早く到着。時間だけみると幸先良い出足のようだが、疲労感は昨年とは段違い。レースはまだ1/4程度。これで最後までもつのだろうか。それにしても、真冬の盆地で行われるトレイルで飲む温かい味噌汁は最強だな。

トレイル区間に入ってからの7kmくらいは平坦な箇所が多い林道。前日のトークショーでヤマケンが言っていた「この区間は後先考えずがんがん行っちゃって」を忠実に守る。昨年は数十人をパスした区間だが、今年はなかなか順位を上げられない。ざっくりとした計算で昨年はこの200~300人後ろの位置にいたのだから当たり前ではあるのだが、どうにも気持ちが乗ってこない。おまけにたまにある下り区間では、後続のランナーにさらっと抜かれる始末。前のほうでレースを展開すれば、いらぬストレスもなく楽しいことだらけだろうと思っていたが、話はそう簡単ではない。17km地点の第2エイドには昨年より30分ほど早く到着。これは調子が良いからということではなく、前回は歩きたおした区間で、今年はわりと上位の人たちと普通に競い合ったからだ。タイムが早い分、脚の消耗度合いは半端ない。まだ、レースは半分しか終わっていないのに。そこそこ汗をかいていたので、念のため岩塩を摂取。でも、本当に不足しているのはミネラルではなく、練習量だ。

千代田湖周辺のロード区間で少しだけ順位を上げ、健康の森へ。エリアの名称とは逆に、この辺りから体のいろいろな部分に問題が発生しだす。落ち葉でふかふかなように見えてその下の路面には石が多い区間。昨年、ここで大コケして出血する羽目になったことを思い出し、注意しなければと思った途端に躓く。たぶん自分で思っているほど足が上がっていないのだろう。順位を上げるパートと認識していた上りで思うようにいかなくなり、ただでさえテクニックもなく腰が引けて遅~い下りのパートでは脚の痛みもありポンコツな走りが全開になる。う~ん、ひ弱だ。26kmの最終エイドに3時間半で到着。レース前は、ぼんやりと4時間は切れるだろうと思っていたのだが、相当怪しい。「残り5kmを30分」はロードなら余裕だが、まだコースのピークへの上りが残っている。

体力的には余裕はない、というより相当へたっているが、残りはもう5kmだということとわずかな望み(実際には限りなくゼロに近い)がのこる4時間切りに向け、最後の力を振り絞り白山のピークへ。さあ、ここから下りだ、と思った瞬間、目に入ってきたのは手を使わないと降りられないような急勾配。おっかなびっくりそろりそろり降りていると、後ろから「すいません、先に行かせてもらえませんか」と声がかかる。耳ではそう聞こえたが、その情報が脳には「邪魔なんだよ、どけよ、ひ弱な都会っ子」と変換されて伝わる。戦闘能力を示すメーターがここでほぼゼロになる。残りの行程はとりあえず重力に逆らわず淡々と下る。ラスト500mの平坦なロード区間では息を吹き返すが、前方の捕らえられる距離には誰もいない。

前年の記録を20分更新してのゴール。自然の中を駆け抜けてきた高揚感とは程遠い、静かな静か~な達成感。たとえ順位が100番以上早くなったとしても、課題は残るし、満足は出来ない。ランナーは、難儀だ。

明日もいいトレーニングが出来ますように。