2021WTCS横浜大会

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この状況下、いろいろと複雑な思いはあったが、5/15(土)~16(日)、2年ぶりの開催となった「ワールドトライアスロン・パラトライアスロンシリーズ横浜大会」にテクニカルオフィシャル(TO)として参加。おそらく大会が開催されることを快く思わない人も少なくなかっただろう。直前になり、緊急事態宣言下の都府県から参加予定だったTOの辞退もあり、運営サイドとしては配置のやり繰りなど若干の混乱もあったが、各スタッフが感染症対策に細心の注意をはらい、無事(大会から4週間が経ったいまも特別な報告は入っておらず、シリーズは、引き続き各国を転戦している)2日間が終了した。

15日のエリート大会では、33の国と地域からパラ67名を含む183名の選手が参加。全選手の入国前から大会終了まで健康管理を徹底して行い、大会の2日後までに全選手が検査で陰性となり予定通り帰路についた。今大会は「感染しない・させない」を基本に海外選手の受入れにあたっては「バブル方式」を採用して、市民はもとより関係者との接触を遮断した。オリパラへの出場権に係るポイント対象レースでもある今大会でのバブル方式の徹底は、海外選手にとっては、十分な調整も出来ず、かなりのストレスだったと思われる。

16日のエイジ大会では、事前に出場を自粛した選手が370名いたが、1,043名がスタートラインについた。「感染しない・させない」ために、TOとして参加選手に充分な対応が出来なかったかもしれないが、来年以降、手厚くフォローさせていただくので今回ばかりはご容赦願いたい。

また、両日とも現地での観戦の自粛、自宅等からオンラインでの観戦・応援をお願いするとともに、メイン会場の山下公園では入場規制を徹底した。例年通りの人出であれば、あの少ないスタッフでは、何かしらのアクシデントが起きていたかもしれない。

コロナ禍という特別な状況下で行われた大会。大会実施に関するネガティブな話をずいぶんと見聞きしたが、それでも正解が見えない中で選手・関係者がやるべきことをやって開催できたことを地味にうれしく思う。今回の方式、ノウハウ、そして運営に携わった人たちの経験が今後に活かされればよいのだが。(本当は、活かされるような状況にならないことがいちばんいいのだが)

なお、文脈からオリパラ開催賛成派のような印象を受けられるかもしれませんが、けっしてそんなことはなく、中立の立場ですので、「けしからん」的なコメントはご勘弁を。

例年のような高揚感はないが、レースを終えトランジションエリアから帰っていく参加者から「こんな状況で、レースを開催していただいてありがとうございます。」と言われると、少しだけ苦労が報われた気がする。いや、むしろ、この状況で出場を決めてくれたことに感謝したいくらいだ。来年は、余計なことに神経を使わず、普通に大会が行われることを心から願う。大会は、日頃の地道なトレーニングの積み重ねへのご褒美なのだから。