印象に残るトライ

30年もこのスポーツに携わっていると、印象的に残るトライも100や200ではきかない気がする。
大友信彦さんのブログ(http://otomo-rug.jugem.jp/?eid=301)を読んでいて思い出したそのなかのひとつ。


1990年の秋、のちに大学選手権決勝の常連になる関東学院がリーグ戦グループの初優勝を決めた試合。
この日、23区内にあるとはいえ、あまりアクセスのよくない江戸川(それも陸上競技場だ)までなぜ行こうと思ったのかはよく覚えていない。地区対抗で活躍し、リーグ戦で徐々に力をつけ、強豪の仲間入り一歩手前の関東学院に、ある種のシンパシーを抱いていたかものかもしれない。
有名校のエースが入学するほどの実績もネームバリューもなく、春口さん(不祥事以降、いろいろ叩かれているが、とてつもない情熱を持ったこの人のことはいまでもけっこう好きだ)が地方の無名の原石に「君の力で関東学院を強くしてくれないか」と頼んでまわっていた時代。
この試合で、キックオフから深く蹴り込まれたボールに左WTBが追いついて上げたトライはいまでも覚えている。試合後、「あのラッキーなトライが大きかったですね」と記者から聞かれた春口さんが「ラッキーなんかじゃない、諦めないで最後まで走ったから生まれた素晴らしいトライだ」というような事を言い返したと聞き嬉しくなった。

そのトライを決めた林和男さんの訃報。

個人的な印象だけど、あの頃の関東学院は、派手さはなかったけど、無駄走りを厭わない選手が多そうな好感度の高いチームだった。いま思えば、この翌年キャプテンになる林さんの人柄そのもののチームだったような気がする。

リコーで引退後も主務、副務としてこのスポーツに携わってきた林さん。
まだ42歳。早すぎるなぁ。