analog

今朝の日経「交遊抄」に、元新日鉄釜石監督の森重隆さんのことが書いてあった。
人と人を本当に繋ぐのは、アナログなコミュニケーションなのだと改めて思う。


おまえのため 相浦一成

「おまえのためになるとや」。小中高大の先輩で、ラグビー日本代表の主将も務めた森重隆さんから、30年ほど前にかけられた言葉を今も鮮明に覚えている。
私が駆け出しの社会人として、日本IBMで地方銀行にシステムの営業をしていたころのこと。顧客企業向けに講演してもらおうと、昔のよしみで電話をかけた。引退したばかりで多忙だったはずだが、二つ返事で快諾してくれ、何人くらい出席するのか聞かれた。
真意に気づいたのは講演会の当日。羽田に姿を見せた森さんは、人数分のめんたいこを両手にぶら下げていた。名刺交換した全員に、「相浦のぼんくらを、ひとつよろしくお願いします」と書いた直筆のはがきを送ってくれたことも後で知り、思わず涙がこぼれた。
何をすれば相手が喜ぶか。我々はネットの企業だが、社員に挨拶文や礼状を欠かさないよう指導しているのは、森さんの教えがあったからだ。
今も年5〜6回は顔を合わせる。私が九州に行くときは、電話しないと怒られるほどだ。顔を見ただけで私の精神状態がわかるらしく、いつも心を満たすような店を選んでくれる。そんな空間で一緒に時間を過ごせるのが楽しい。

(あいのうら・いっせい=GMOペイメントゲートウェイ社長)
2014/1/15付 日本経済新聞 朝刊



思い出すのは、釜石で監督兼選手だった森さんが、逃げる若手を追いかけてとび蹴りをするシーン。
昨今では問題視されそうだけど、そこに愛情があれば、あんな素晴らしいコミュニケーション手段は他にないと思う。

そんなわけで「昭和の人」とか「ITゆとり世代」とか若手に揶揄されようとも、
しばらくスマホはもちません(笑)