夏が終わる頃

関東大会2日目は、全員が35歳以上のメンバーで
構成されたチームで争うOVER35トーナメント。
我がチームは、2年ぶりに2チーム体制で臨む。

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試合時間は、30分ずれるんだけど、アップは全員で。
運動生理学的には正しくないかもしれないけど、
全員で戦うんだ、という意識が高まる。

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最初の試合は「Carnevale Barbarians Sepia」
全員で合わせるのは、この時間が初めて。
また登録の手違いから交代要員が確保できない
というアクシデントに見舞われる。
相手は格上。心配がつのる。

が、不安を抱えていたのは見ているメンバーだけで、
試合に臨むメンバーは、このハンデさえも力に変えてしまった。
ほぼ互角の展開が続き、疲れが見える時間帯。
ディフェンスの激しいプレッシャーから、パスミスを誘いインターセプト
前がかりの相手を置き去りにして一気にゴールラインへ。
前半を4-0で折り返す。

後半、守るという意識ではなく、集中力を持って攻め続ける。
こんなはずじゃないぞ、と思ったであろう相手は、
時間の経過とともにプレーが荒々しくなり、完全本気モード。
見ている方が心臓に悪い。
残り1分のコール。
自分より年上のメンバーが疲労をものともせず
鬼気迫る表情で立ち向かう姿に魂を揺さぶられる。
勝負所でいちばん大事なのは、技術や理論ではないんだ。
長い長い1分が終わり、終了を告げるホーンが。
ピッチの中で、安堵の表情を見せるメンバーをよそに、
コートサイドは歓喜の渦に。
「Carnevale Barbarians Sepia」堂々の初戦突破。

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これ以上ないいい流れのなかで初戦を迎える
「Carnevale Barbarians 」
11年間変わらない技術の優劣ではない
ぶれない基準でセレクトされたメンバー。
相手は、関東大学対抗戦グループのチームの若手OBだが、
仲間のあんなすごい試合の後で、ヘンな試合は出来ない。

開始早々から、体力とテクニックで上回る相手に2トライを奪われるが、
海の公園で何度も何度も練習してきた、フロントパスで相手の裏に出て、
そこにすかさずフォローにいくプレーで右コーナーにトライを決める。
昨日から、美しいトライはなぜかぼくが出ていないときに決まる(汗)

後半も2トライを奪われるが、
最後まで意識を切らさずアタックを仕掛ける。
後半の後半は、膝から下が自分の一部じゃないみたいだったけど、
数十分前に学んだ根性で、最後まで走る。
敵陣深くまで攻め込むが、
ゴールラインを割ることは出来ずタイムアップ。
戦績ということでは、去年を超えられなかった。
3-13

コートからボードウオークに戻る際、
相手チームのメンバーと一緒になる。
「ちょっと君ら若すぎやしないか」
「いや、ぼくたちみんな今年ちゃんと35歳になります」
おいおいホントにぎりぎりクリアかよ。
こちらのメンバー構成を嫌みを交えてざっくり説明すると、
「でも、みなさんすごく走られてましたよね」と
勝っても相手へのリスペクトを忘れない素敵なラガーマン
今シーズン、後輩たちが1部に昇格できるよう
応援してあげよう(笑)。

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Sepiaの2回戦は、以前から葛西で仲良くしていた「KARAS」さん。
試合前、図々しくも相手ベンチに乗りこみ、
「ディフェンスで速いプレシャーをかけない」ことと
「貪欲にトライを獲りに行かない」ことを指示する(!?)

それにしても、あれだけ消耗した1回戦から60分のインターバルで
「KARAS」さんと0-18は上出来。

今年のSepiaは、語り継がれるべきチームだったな。

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敗者戦に回ったCarnevale Barbarians の相手は、
B1トーナメントで準優勝することになる
「JOLIOS」さんの兄貴分「JOLIOS35」さん。
去年、わがチームに微笑んだビーチの神様は、
昨日のサドンデス2連敗に続き、
今年はずいぶんと試練を与えてくれる。

最後のゲーム。
0-24と大差のゲームになったが、
むしろ思い切りチャレンジできた気がする。

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短くも熱い2日間。
1勝3敗2分け。

試合後、昨日のメンバーと今日のメンバー全員で飲む冷たいビール。
普段はアルコールはあまり口にしないんだけど、美味かったなぁ。

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ここ数年は、毎週通い詰めているわけでもないのに、
協会の若い子(といっても30すぎ)から挨拶されたり、
たくさんの顔馴染みと再会できて、
ここはやっぱり「ホーム」だ、と再確認する。
そして何より一緒に練習してきた仲間と
思い切りプレーできた幸福な時間は宝物だな。


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他チームのメンバーと「また来年会いましょう」と言って、
トーナメントが佳境を迎えたビーチパークを後にする。
勝ち進んだチームの試合を横目で眺めながら、
こいつら昨日から何試合してるんだよと呆れながらも、
心の底では嫉妬している(笑)。

少しでもいいから、
今日の自分よりいいプレーヤーになって
また、この場所に戻ってこよう。

湘南地区には高温注意報が出ていたが
ひらつかビーチパークに吹く風は
少しだけ秋の香りがした。

ステキな夏の日を探す
長いようで短い1年が始まる。

Go Future!