全国高校大会決勝

東海大仰星 37-31 桐蔭学園 (花園ラグビー場

全国大会のレベルはすごいことになってるな。

両校とももちろん勝ちたいのだろうけど、
それ以上に、
この相手に自分たちのやってきたことが、
どれだけ通用するのだろうという
トーナメントの発想ではない
ラグビー本来の対抗戦の思想が色濃く出たゲーム。

桐蔭の自陣からでも頑ななまでにフェイズを重ねるアタックと
仰星の規律のとれた凄まじいディフェンスに見入っていたら、
前半、後半ともに気がついたら終わっていた、という感じ。

桐蔭の最後のアタックは、勝敗には何の意味もないけど、
今年のチームの集大成を披露する時間だった。
(いったい、いくつフェイズを重ねたのだろう?)

素晴らしい時間を作りだしてくれた
両チームに拍手です。

・・・

仰星は、決勝戦の前日練習を、付属中学も含めた
6学年150人全員で行ったとのこと。
キックオフの時間に合わせ、試合に出るメンバーだけで調整するのが、
どう考えても常識的で効率的で、勝利への近道だと思うのだが、
湯浅監督は「全員ラグビー」に拘って、
最後まで普段どおりのスタイルを貫いたのだと。

なんだかいい話だな。
最近、やたらと世界に目が向いて、
代表が強くなることが最優先みたいな雰囲気になっているけど、
背の高い子も低い子も、体重の重い子も軽い子も、
それぞれに役割と居場所があって、ボールがひとつあれば、
たくさんのメンバーが全員で楽しめるのがこのスポーツのよいところ。
「花園から世界へ」っていうキャッチフレーズは、
それはそれで夢があっていいとは思うけど。

この大会のレベルがどれだけ高くなろうとも、
高校ラガーたちは、
母校の誇りと先輩たちの思いを背負って
勝利を目指す戦士である前に
仲間たちと放課後の校庭で楽しく遊ぶ少年であってほしい。

非強豪校OBの戯言だと言われてしまえば、
それまでだけど・・・・ね。