気仙沼、南三陸、女川、石巻、松島を往く

夏休みは宮城県の海沿いを巡る旅。
トライアスロン、OWS、ビーチラグビーと走り続けてきましたが、
この2泊3日のオフも1,200kmを走って(もちろん車で)きました。


まずはちょっと寄り道して、山形道を走り「山寺」へ。
階段の上りのキツさに魅かれたわけではないです。
ただ、何も真夏の昼時に階段を1015段も登らなくてもいいのにね。
でも、いいトレーニングになりました(滝汗)
松尾芭蕉が感嘆した絶景を前に、一句詠みたくなる。
閑さや岩にしみいる蝉の声
・・・!?

けっこう頑張ったので、昼はステーキ丼。
と、デザート(笑)


肉が見えなくてステーキ丼っぽくないな・・・


そして初日の宿泊地、気仙沼に移動。
夕暮れの山間の道を窓を開けラヂオを消して
ひぐらしの切ない鳴き声をBGMにドライブ。
贅沢な時間といえなくもないけど、
夏休み初日なのに夏の終わりの気分。

夕飯は「復興屋台村 気仙沼横丁」の予定だったけど、
晩酌文化のない我が家は、呑みモードの雰囲気に圧倒され、
海沿いの「港町レストラン 鮮」へ。

新鮮な海産物に舌鼓。
ああ、この旅、ぜったい太るな・・・

・・・

2日目の朝は、名勝地「巨釜(おおがま)」へ。
静かな美しい風景。
2011年の出来事が信じられない。

仮設53店舗が営業する「南町紫市場」へ。
当日は、このエリアのお祭りだったので
イベントも開催されていて大賑わい。
若い人がたくさんいて活気があるなぁ。

賑やかな会場を離れると、3年前の傷跡が。

・・・

海を見下ろす高台にある「リアス・アーク美術館」へ。

学芸員の方が直に見た被災地の様子には言葉を失う。
反省とは未来を考えること、というメッセージが
より多くの人に伝わることを願う。

・・・

45号線沿いには、見慣れないこのような看板が幾つもある。

不自然に更地の広がるエリアや
まだ多くの人たちの生活の匂いがする仮設住宅
復興はまだこれからだと思う。

・・・

「南三陸さんさん商店街」へ。

食後のデザートはクレープ屋さんで「スモージー」を飲む。
スムージーのミルク版です。相撲ジーではありません。
店内には、エンドレスで「耳をすませば」の「カントリーロード」がかかっている。

歩きつかれたたずむと
浮かんでくる故郷の街
丘をまく坂の道
そんな僕を叱っている

カントリーロード
この道ずっとゆけば
あの街に続いている気がする
カントリーロード

どんな挫けそうな時だって
決して涙は見せないで
心なしか歩調が速くなってゆく
思い出消すため

エンドレスのBGMが気になって、理由を聞いてみる。
「なんでこの唄をずっとかけているんですか」
「あ、これ? ジブリが大好きなんですよ」

・・・・スミマセン、
勝手にストーリー作って、勘違いしてました。

・・・

2日目の宿泊地、女川へ。
街中にはまだ横倒しになった建物が残っている。

夕食は海岸線から坂を少し上ったところにある「そば処 花菖蒲」
簡易的な新しい建物は、仮の店舗の匂いがするけど、とても事情は聞けない。

ひょんなことから、たまたま言葉を交わしたとなりのテーブルのおぢさん5人組は、
なんと横浜からボランティア活動に来ている人たち。
地元から500km離れた地で、ローカルな話題に花が咲く。
首都圏に住んでいると被災地と向き合うことは難しいと思っていたけれど、
こんな風にシンプルに動いている人たちがたくさんいるんだろうな。

女川町のガイドブックの表紙には、地元の小学生の詩が載っている。

女川は流されたのではない
新しい女川に生まれ変わるんだ
人々は負けずに待ち続ける
新しい女川に住む喜びを感じるために

・・・

昨夜のおぢさん5人組は宿泊が同じ場所。
朝食後、真剣な表情でボランティア活動のミーティング。
申し訳ないけど、我が家は観光に集中させていただきます。
暑くなりそうですけど、2日間、頑張って下さい。

最終日もハードスケジュール。
石巻へ移動し、息子と100%意見が合った「石森萬画館」へ。
ここも震災の時は大変だったんだな。

・・・

午後は松島へ移動。
時間が押しているので遊覧船には乗らず、瑞巌寺へ。
津波の塩害で自慢の松がだいぶ処分されたんだね。


ふわふわ雪氷でほっと一息。

・・・

旅の締めは、仙台で牛タンを食す。
初日の階段登り以外はノートレーニングだったから、
この遠征は、あきらかにカロリーオーバーだな(苦笑)。

・・・

前に進むパワーを感じた駆け足での3日間。

でも被災地の方たちの「元気です」を
額面通りに受け取るのは正しくないと思う。

仲間が困っているのに見て見ぬふりをして
自分の損得を優先する人にはならないようにしよう。

今回、初めて「復幸」という言葉を知った。
その時まで、いま何が出来るのかを考え続けよう。