奇跡を必然に

今月の初めに行われた、横浜トライアスロン研究所のシーズンセレモニーの最中に、
屈強な人だらけの会場内で、ひときわ精悍なアスリートが紹介された。

会場となった「横浜ビール驛の食卓」料理人にして、
前日本スーパーバンタム級王者、大竹秀典さん。
日本王座を返上し、階級を上げての世界挑戦を目指していたが、
代役という形で、WBA世界スーパーバンタム級タイトルマッチの話が舞い込んだ。

対戦相手は、無敗の王者スコット・クイッグ。
29勝(20KO)2分。
会場は、敵地リバプール
数多くのチャンピオンを輩出している日本だが、
欧州に乗りこんでのベルト奪取は一度もない。
地元でのオッズは16:1でチャンピオン有利。

大竹さんは「自分が勝つのは奇跡に近い」と言う。

「でも、奇跡は待っているだけでは起こらない。
 試合までのトレーニングで奇跡を必然に変える」とも。

当日のチケットは1万3千席が完売。
「絶えず、今」がモットーの「リングの仕事人」は、
完全アウェイのなか、後半勝負に賭ける。
可能性は低いかもしれないけど、
自分を信じてチャレンジする人って、
やっぱり、魅かれるよな。

イベントの最後に握手をしてもらったのだが、
間近で見る大竹さんは、
この人がほんとうに人を殴ったりするんだろうか、
と思うくらいさわやかな人だった。
写真だと、すごくいかついんだけどね(笑)

横浜ビールの大田社長は、世界チャンピオンになったら
「大竹ラベル」のビールを作ると言っていた。
筋金入りの下戸なのだけど、
これは飲みにいかなければ、と思っている。

決戦のゴングは、日本時間23日の未明。
英国の地に向け、念を送ろう。


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