coach

先日、某メガバンク主催のイベントで、
神戸製鋼ラグビーGM平尾誠二氏の講演
「そのときリーダーはどうあるべきか」を聴く。

情報収集能力に長けたいまの若手が、
ゲームではなかなか力が発揮できないことを憂う彼の話は、
いきおい昭和の記憶へと向かい、
伏見工業高校時代の山口良治先生とのストーリーとなる。
(スクールウオーズというドラマのモデルです)
試合で顔に何十針も縫うケガを負った時、最初に思ったのが、
「これで、明日からしばらく練習が休める」
だったというほどの厳しい練習と、
いまのこのご時世では、
電波にのせることも活字にすることも出来ない
痛すぎるエピソードの数々。
本気で日本一を目指す緊張の日々、
何度か殺意(!?)さえいだいたこともあるという経験を経て、
全国大会決勝に臨むモチベーションは、
「自分たちが優勝したい」ではなく
「先生を喜ばせてあげたい」だったという。
45分間、笑いを誘う理不尽なげんこつネタの最後を
平尾氏はこう結ぶ。

山口先生のやり方はひどかったかもしれない。
でも、あなたはリーダーとして、
そこまで本気に取り組んでいますか?

・・・

その日の晩、録画しておいた情熱大陸を見る。
高梨沙羅のコーチ 山田いずみ」
現役時代、国内で圧倒的な強さを誇り、
この世界のパイオニア的存在という彼女の経歴と、
女子の個人競技は必要以上にストイックだという偏見から
鬼気迫る内容を想像していたら、見事に裏切られる・・・

選手の感覚を尊重し、聞かれるまでアドバイスはしない。
ひたすら「寄りそい、支え、守る」姿が美しい。
コーチとしては、まだ新米。
プレーヤーズマインドが捨てきれず、
選手の気持ちがわかりすぎてしまうんだろうな。

ちなみに今回はわき役で登場する
天才アスリートのイメージがある沙羅ちゃんだけど
ほんとにかわいい17歳の女の子。
息子とたいして歳の変わらない
このオリンピアンにすっかり恋してしまう(笑)

・・・

本来コーチとは、馬車の意味で、
目的地まで導くという意味から
指導者をさす言葉として定着したらしい。

目的地へ連れていく方法はさまざま。

さて、来週からかわいい部下たちを、
愛情込めて殴りまくるか、
静かに寄りそい、見守るか・・・