第53回大学選手権決勝

チャンピオンシップファイナルに
どう考えても相応しくないピッチの状態と、
ぎっしり詰まったバックスタンド自由席と
がっつり空席のある中央指定席のコントラストに
少しだけイラついたけど、
80分間の両チームのパフォーマンスには唸りっぱなし。
これはもう大学生レベルを超えているな。

ここまで帝京は、単に点差が接近したゲームはあっても、
本当に実力が接近した相手に、あれだけの圧力を
かけ続けられる展開はなかったはず。
それでも崩れることなく80分間を見事にコントロール
慌てたり、浮足立ったりということを知らないチームだ。
(SO松田は、ほんとにまだ22歳か?)
8連覇の最初の頃は、なりふり構わない勝つためだけの
ラグビーをしていた時期もあったけど、
偏差値が高く、かつ応用の効くチームになった。

東海が悔やまれるのは、後半の帝京の時間帯に
個々の迫力を活かせずに組織DFが雑になり、
流れを引き寄せられなかったこと。
地を這うようなヘッドオンタックルの嵐だったのに。
そして、あとひとりの寄りが遅れ、完全に勝っているブレイクダウンで
何度かターンオーバーされ、そこから大けがをしたこと。
それでも時間をかけて練習してきた強みは、存分に発揮できていた。
最後の猛攻が、ということでなく、選手権に手がかかっていた。

やたら滑舌の良い英語の得意なレフェリー(良くも悪くも存在感のある人だ)に
フィットした両チームが、反則をほとんどしないクリーンで激しいゲーム。
判定がどうだ、なんていうのは両チームに失礼。
この2チームに引っ張られ、大学のレベルが上がっていけばいい。

ピッチの15人だけでなく、
メディカル、ウォーター、リザーブ
そしてスタンドの控え部員に至るまで、
とても立ち振る舞いの美しい東海大
良き文化はそのままに、
来年こそ目指す頂へ。