winning culture

大学選手権1回戦。
負けた瞬間にその「チーム」が終わりになるノックアウトステージは、本当に切ない。
秩父宮でも、ここで姿を消すのはもったいなさすぎる2校のシーズンに終わりが告げられた。

第1試合は「東海(リーグ戦2位)×筑波(対抗戦4位)」

いまやトレンドになりつつあるキックパスで先制した筑波に、
1年生とは思えない存在感を醸し出す小原のトライで東海が追いつく。
その後、SO松下真七郎の活躍で前半は19−7で筑波がリード。
東海は、強みと認識しているFW戦で攻め手が見出せず苦しい展開。

後半、東海のFWが奮起。
2つの取るべくして取ったトライは、ここ数年、国立に進出している自信か。
要所でラインアウトのミスが起きるのは、筑波のスカウティング能力の高さだろう。
残り10分。
今日のMOM(私のなかの)松下くんが入れごろ外しごろのPGを決め、筑波リード。
残り2分。
正面からのPG。結果論でいろいろなことを言う人がいるだろう。
同点のPGを信頼出来るキッカーに託したキャプテンの判断は、正しかったのだと思いたい。

筑波 22−19 東海

今日も時折、淡泊なDFで大きなゲインを許した筑波。
トーナメントを勝ち進むことに関しては、まだどこか自信なさげ。
来週、瑞穂で明治を倒し、国立に立った時、
才能あふれるこのチームは、いまは持っていない何かを手に入れるのかもしれないな。

頼れる大駒が抜け、苦しいシーズンだった東海。
シーズン最後に力尽き連敗。
でも、グラウンドの内外での立ち振舞いが美しいこのチーム。
来年は、もっと長くシーズンが続きますように。


第2試合は「流通経済(リーグ戦優勝)×慶應義塾(対抗戦5位)

1回戦のなかでは、比較的勝敗予想が簡単と思われたこのカード。
分析し辛い「魂」という要素が、多くの人の判断を誤らせた。

開始6分、FWの圧力を生かした流経のトライに、残り時間からの最終スコアを予想してしまう。

イシレリの突進にかなり手を焼いているように見えた慶應
19分、そのイシレリがシンビン。
これで試合が多少面白くなるな、という感じ。
そして前半残り3分で、復帰したそのイシレリのトライ。

前半を終え、慶應2点リード。
魂炸裂の慶應は、だいぶ消耗しているように見える。
この時点ではまだ流経の勝利は揺るぎないものに思えた。

後半、トライを取り合い、慶應10点リードのまま残り20分。
慶應はこの時間、20点以上取って、10点のアドバンテージを握っているということを想定していただろうか。
ペナルティを取るたびに、キャプテンより先にタッチを指差す数人のメンバー。
強気というより、力関係を見誤って、舞い上がっているようにも見えた。
ただ、その後は時間が慶應に味方する。

ここでこのミスが出るか、というレギュラーシーズンの流経からは考えられない、らしくない姿。
力で圧倒していても、次のステージに進むための文化が根付いていないのか。
終了間際、追いつけるはずのない点差を追い、意地のトライをするはめになるとは思ってもいなかったろう。

慶應義塾 39−24 流通経済


チャンスがあったら、慶應の主務に聞いてみたい。
今日の時点で、来週の名古屋の宿舎を予約してあったのか(笑)


対抗戦で中位に沈んだチームがリーグ戦の1位と2位を倒す。
これをもって、この2つのグループの力関係を計るのはナンセンスだろう。

各大学が持っているそれぞれの世界。
勝負を分けたものは・・・

クリスマス、8校が4校に。


・・・


第2試合を観ていた、非強豪公立高校の元ラグビー部のSHとフランカーが、同じ思いを抱く。
今日の慶應みたいにやっていれば、もっと勝てたんじゃないか。

気づくのが、30年遅いよ・・・