第3回 富山マラソン

レース中盤。
スタート直後の1〜2kmを混雑で思うようなペースで走れなかったことと、3時間30分のペースランナーが見つけられないこと以外は、すべて順調。
中間点の新湊大橋の手前で、やたらテンションの高い有森裕子さんとハイタッチした後、橋の上りのカーブでペースランナーを100mほど手前に発見。
サブ3.5が見えたという錯覚。
得意の坂を利用してペースランナーとの差を詰める。
上りでかなりの人数をパス。少し調子に乗り過ぎた。
この後、こちらが思っているほど、実は坂には愛されていなかったことを思い知らされる。
25km地点で下半身の関節すべてに痛みがくる。
25〜30kmの折り返しコースで、すれ違ったペースランナーに離されていることを確認。
それでも諦めず前に追うが、30km地点で足が売り切れ。
一気にペースがキロ6分台に。
30kmの壁というわかりやすすぎるオチ。

4か月かけて準備してきたサブ3.5へのチャレンジが終る。
残りの12kmは、ただただゴール地点に辿りつくためだけの切なすぎる道程。
冷たい雨の中でのたくさんの人たちの温かい応援や、ボランティアの人たちの献身に支えられ何とか最後まで走り切ることが出来た。
自己ベストは更新したものの笑顔のないゴール。
苦い敗北感だけが残る。

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この4か月、特に8〜9月は、これ以上やったら、故障するだろうなというところまで追い込んだから、これはもう完全な力不足。坂でのペースがどうのこうのというより、キロ5分を切るペースでは、25kmまでしか走れないランナーだったのだ。

3週間前、試金石のハーフマラソンの結果は、3時間45分切りくらいを目指すのが妥当、というもの。
夏の初めに、仲間内で富山マラソンの目標を決めよう、となったときに、周りから乗せられて3時間半と言ったのは、その場の空気を読んで(なんて大人なんだ)話を合わせておこうかなくらいのノリだった。それが、夏の間のトレーニングを経て、いつの間にか自分のなかで、目標となり、約束になっていた。
だから、サブ3.5のペースで突っ込んだことは、利口だったとはいえないかもしれないけど、何の後悔もない。

この夏の取り組みを通し、自分にとってサブ3.5は簡単には手の届かない特別な場所だということが確認できた。潔く諦めるか、その場所に向かって努力を続けるかという2つの選択肢について冷静に検討しよう。
まぁ、答えはわかりきっているんだけど。

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「Team Sweets Freaks」のメンバーの一人から「足も痛かったし、冷たい雨も辛かったけど、コーチの仕打ちに較べたらどうってことないな、と思って頑張れました」とステキすぎるコメントをいただく。
愛情は伝わっていたんだね(笑)
レース後、全員で記念撮影。
みんなカラダはボロボロだけど最高の笑顔。
この夏、頑張ってこられたのは、記録のためなんかではなく、この笑顔を見るためだったのかもしれないな。

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と、長々と続いた負け惜しみもそろそろこのへんで(笑)

今回のチャレンジは「失敗」と総括せざるを得ないけど、簡単ではないからこそ、マラソンは面白くて、やめられない。
自分には何が足りないかを考え直し、次に向けてスタートを切ろう。

自分にとってベストのレースは、きっと次のレース。

明日もいいトレーニングが出来ますように。