皇后杯決勝


(澤さんの最後の勇姿を生で見た同級生の写真を拝借)

苦しい時には私の背中を・・・
という有名なフレーズは、
同じピッチに立つ後輩たちに
どれほどの勇気を与えたのだろう。

どんなに痛くても、
何事もなかったように立ち上がり、
涼しげな顔でいつもどおりのプレーをする
澤さんの立ち振る舞いには、
サッカー経験者ではなくとも
心を動かされる。

彼女のすごいところは、
示された道がないところを
つまづき、迷いながらも、
ずっと先頭で走り続けたところ。
彼女が目標に向かって走り始めた頃、
おそらくその頂は、彼女自身にも
見えていなかったのだろう。
それが本当に存在するのかどうかも
おそらく誰にもわからなかった時代。
なでしこジャパンは家族のような存在」
は後輩たちだけに向けられたものではなく、
むしろ先輩たちへの思いなのだと思う。

そして彼女がここまで愛されるのは、
その無駄になるかもしれない努力を
自分のためでなく、
女子サッカーの未来のために、
継続してきたからなのだろう。

2011年の夏、
女子サッカーには神様がいる
と感じた場面がいくつかあった。

この大会が最後、
と臨んだトーナメントで
決勝まで勝ち進んでしまうのも、
そのゲームで自ら決めた決勝ゴールも、
きっと神様からのギフト。