ワールドカップを釜石で

70年代の終わりにラグビーに関わった者にとって、
「釜石」という名詞は、
岩手県にある一都市であるという以上の
特別な意味を持つワード。

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2019年ラグビーワールドカップ開催地決定のニュースは、
各メディアで予想以上に大きく取り上げられていた。
会社でも、多くの人に「ワールドカップの開催地決まりましたね」と声をかけられる。
日本開催が昨日決まったと勘違いしている人がいるのに苦笑いしながら、
「釜石も会場なんですよね」と言われると、招致関係者でもないのになぜか頬がゆるむ。

スタジアムもなく、交通の便もよくない。
それでも、招致に関わる人たちの熱は半端ではなかった。
そして、なにより、この国でいちばんラグビーが文化として根付いている街。

地元では、復興との兼ね合いで、ネガティブな意見も少なくなかったと聞く。
それでも、この招致が釜石の人たちに希望を与えると信じたい。
そして2019年はゴールではなく、スタートなのだと。

以下、ラグビーを通じて東北の復興をサポートするNPO法人スクラム釜石」のサイトより
とても美しい文章なのでシェアします。

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本日、ラグビーワールドカップ2019日本大会の開催都市に、釜石市/岩手県が選出されました。
これもひとえに、みなさまからいただいたご支援のたまものと感謝するとともに、みなさまと一緒に、喜びを分かち合いたいと思います。

ありがとうございました。

「ワールドカップを釜石で」
それは、最初は遠い夢物語でした。
建物も港の施設もなくなった釜石で、本当にそんなことができるのか、
他に先にすることがあるんじゃないか、
私たちも自問自答してきました。
被災地の復興は今なお道半ばです。
しかし、だからこそ、ワールドカップという大きなイベントの成功を目指すことが
復興を加速させる力になると信じて、地元・釜石市のみなさまと連携を取りながら、ここまで活動してきました。
そんな思いを、多くのみなさまに共有していただいたからこそ、釜石が開催都市に選ばれたのだと私たちは考えております。
重ねて御礼申し上げます。

東日本大震災からもうすぐ4年。そして4年後には、ワールドカップがやってきます。
私たちスクラム釜石は、釜石でのワールドカップ開催をゴールではなく、未来へのキックオフだと考えています。
2019年ワールドカップは、被災地の未来を担う若者たちが、世界の人々と出会い、友情を築き、大きな力を発揮する素晴らしい舞台になるでしょう。
それはまた、2019年から先の東北と日本が、豊かな未来を迎えるための力になるはずです。
スクラム釜石は、皆さまからいただいたご支援、託していただいた思いを忘れず、2019年に向けて、ラグビーと東北を愛するみなさまとともに、前へ進んでいきたいと考えています。

力をあわせて、スクラムを組めば、不可能はないと信じています。

これからも、ご支援をよろしくお願いいたします。
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新しいスタジアムのバックスタンドではためく大漁旗を思い浮かべる。
夢が目標に。
みんなで力を合わせて前に進んでいくのがラグビー
2019年の日本大会は必ず成功する。