Professional

9連覇の時代からのジャイアンツファンである。
子どもの頃は、当然のように王、長嶋に憧れた。
歳とともに贔屓の選手も変わり、
いまは、鈴木尚弘を応援している。
福島県出身のベテラン。確固たる武器を持った仕事人。
週末朝の番組での健康オタクっぽい受答えも気に入っている。

たまにテーマが重たすぎて疲れてしまう番組、
TBS「バースデイ」を観る。
常に球場に一番乗りしての入念な準備と
自分の役割を強く意識したプライドに心打たれる。
走塁のテクニックというのは、
足が速いという才能に支えられているのだと思っていた。
ある日のヒーローインタビューで
自分を信じてホームに突っ込んだ、と答えるのだが、
その「自分」とは50m5秒7という走力のことではなく、
144試合の毎試合前、そしておそらくオフの間も
変わることなく行われる100%の準備のことなのだ。

確実に計算できる武器。
指揮官は彼の事を物凄く買っているような事を云うのなら、
チーム平均の半分程度の年棒を何とかしてあげてほしい(笑)

本当は、野球選手として、
いまでも「代走」の立場に満足はしていないのだろう。
さまざまな葛藤を経て、
30代になって自分の立ち位置を見つけ、
そこに誇りを見出す。
あぁ、プロだなぁ。

リーグ優勝のビールかけの翌日も、
彼はいつものように球場に一番のりする。
日本一にかける思いは、
今年は叶えられなかったけど、
衰えを知らない36歳は、
また来年も、
毎試合、
淡々と準備をするのだろう。


・・・

明日の試合は、ひさしぶりに次の塁を盗んでみようか。
でも、その前に出塁しないとね・・・