国立をホームにしよう(4)

満員の国立霞ヶ丘競技場
もうひとつのフットボールでは珍しいことではないのだろうけど、
ものすごく久しぶりに早明戦が帰って来た感じ。
やっぱり対抗戦グループの最終戦はこうでないと。

早明の学生に動員をかけたという話だったが、
バックスタンドはシニア層が目立つ。
この年代って、スタンドで監督のように振舞う人が多い。
ぼくらの周りにも、ざっと明治の監督が5人、早稲田が3人(笑)

キックオフ。
明治のキッカーは、ブラインドサイドへ。
メイジのキックオフっていったら、
相手の待ち構えている浅めに蹴って
二人の重たいロックが競りに行かないと・・・

ちなみに明治OBと一緒に観戦しているので、
ここは沈黙を守ります。

ターンオーバー合戦のばたばたと落ち着かない前半。
例年になく勤勉なDFの明治に、
早稲田はハンドリングエラーの山。
最近の早稲田は、年に1回しか国立で試合しないから
もしかしてアガってんのかな。

攻めあぐねたメイジがドロップゴールで先制。
押しながら取り切れない時間帯。
正し過ぎる選択だが、違和感が残る。
先制点に喜ぶ明治OBを前にここも沈黙を守る。

安定しないスクラムの組み直しにやたらと時間がとられるゲーム。
個人的には、ノスタルジーにひたっていたけど、
初めてラグビーを観に来た人には間延びしたように見えたかも。
スタンドのあちこちで優しい解説者たちは、
これが早明戦なんだとうまく説明できたのだろうか。

直情的な明治の監督たちと
犯人探しが好きな早稲田の監督たちの
面白コメントに笑いをこらえ、
あっという間の前半40分。
3-3の同点に、胸をなでおろす明治OB。

・・・

後半開始早々、ミスにつけこんで相手陣深く攻め入った早稲田。
独特の嗅覚を持ったフランカーが左隅にあっさり飛びこむ。
密集の周辺で明治が混乱している隙をついた金クンらしいトライ。
前半の重苦しい展開がブレークする予感。
早稲田8−3明治

その後は、メイジがゴール前でゴリゴリを繰り返す時間が続く。
何度かあったペナルティのチャンスに、
ここはまだ時間もあるし、2点差にしておくのもアリですね、
なんて冷静に解説しながら、
あるときはシンプルにタップキックから突進し、
あるときはスクラムを選択するメイジに心の中で喝采を送る。
早明戦が、帰って来た・・・

耐えに耐えたワセダが最後の最後に、
スクラムを起点に2つめのトライをとる
明治ファンにこれ以上ないダメージを与えるクライマックス。

テクニカルな部分では、
あまり見るべきところのないゲームと言えなくもないけど、
微妙な判定にも潔く従い、
反則の少ないクリーンな
そして何より早明戦らしいゲーム。
グラウンドの外の事にも、エネルギーを費やした
早明のラグビー部員たちに拍手。

・・・

ゲーム終了後、
この国立での早明戦のさよならイベント。
慶應出のダンナさんを従えてユーミン登場。

いや、もう、なんというか
ぼくらの世代は、
あのアコースティックなイントロが流れただけで、
もう、ダメです・・・

関東大学ラグビー対抗戦グループ
早稲田大学 対 明治大学
バックスタンドA指定

まさにプライスレスでした。