神様のボート

地獄の研修以降、運動系のものばかり読んでいたが、
クリスマスウイークくらい恋愛ものと思い・・・

江國香織「神様のボート」(新潮文庫)を読む。

そもそも恋愛ものではないよな、と思いつつ、
江國さんの意図にまんまと乗せられ、
守られるかどうかわからない約束にしがみつく
母葉子にイライラしてしまう。
純愛を通り越した狂気に囚われた母にではなく、
きわめて常識的な娘に感情移入してしまうのは、
自分が分別ある大人になったからなのだということにしておく。
いつまでも大切にしたいものというテーマのなかで
家族というものを強く感じてしまうあたりもね(笑)

取りようのたくさんあるラストが哀しいけど、
江國さんの使う言葉の独特の美しさが、
暗さを感じさせない。

あるトライアスリートの好きな本ということで
興味を持って手に取ってみたのだけれど、
競技の成績にはまったく影響なさそう(苦笑)

・・・

ある意味、自分も
神様のボートに乗ってしまったクチかもしれない。

海に出るつもりじゃなかったのに。
ああ、有酸素運動の神様・・・