100回目の早明戦

底冷えのする12月の第1日曜。
100回目を迎えた伝統のカード。
この国立で、この2チームが戦うのは、
選手権での再戦がない限りこれが最後。
対抗戦グループ最終日。
好勝負の予感に、32,132人が霞ヶ丘に。

ファンにとっては、お馴染みの
クラブ関係者にとっては、
特別な重みを持つジャージを着た
選手たちが国立競技場に姿を現す。

いまピッチに立っている選手全員が
選手権で勝ち進むことより、
このゲームに勝利することのほうが
重要だと考えていると思いたい。

観客が3万人だろうが、
陸上競技のトラックが邪魔をしようが、
赤黒と紫紺には、このグラウンドが似合う。

固定的なイメージからすると、
ジャージが反対なんじゃないかと思わせる前半。

スクラムで圧力をかけ、接点で押し込むワセダ。
安定したラインアウトを軸に、果敢にBKで勝負するメイジ。

単純なコミュニケーション不足にも見えるDFの綻びをついて
トライを取り合う大味な展開。

そんな中、トライにつながった染山の好判断すぎるパントとか、
アングルを変えてトップスピードで裏に出る中鶴のスピードとか、
この両チームが才能の宝庫であることには変わりないことを
証明するようなシーンが相次ぐ。

それでも生観戦では、
なんだかんだ言っても点数が入った方が楽しくて
なおかつ、1T1G差内で折り返すという理想的な展開。

後半、両チームの数名の入替が、ゲームの流れを確実に変える。
ボールが回りだすワセダのライン。
安定したメイジのスクラム

ワセダが3本のトライをたたみかけ、
一緒に観戦していた明治OBの口数が少なくなってきた
後半20分あたりから、このゲームが「THE早明戦」の様相に。

32分、ワセダのコラプシングでペナルティトライ。
26-32。
なんで、これだけのハイスコアで図ったように6点差になるかね。

41分、ゴール前の混戦からロックがなだれ込む。

33-32

意地。信念。

いや、一言で言い表せるような正解はないんだろうな。

ノーサイド後、
いま眼の前で起きたことを理解しようとしていると
唐突に場内にインタビューの音声が流れる。


吉田義人が、
泣いている。


早明戦。いいものを見ました。

ラグビーは、やっぱり面白いな。


・・・


ゲーム後、一緒に観戦した明治OBと青山で中華。
数年前から定着しつつあるこのイベント。
祝杯は、初めて(笑)

今晩は、いい夢を見て下さい。

選手権で東海と同じブロックになったことは
明日の朝刊で・・・(笑)