伝統の一戦

木・金と関西方面に出張。
宿泊は、有名お笑いコンビを生んだ兵庫県内某市。
夜は接待もなくフリー。

そうだ、
甲子園に行こう。

高校野球では何度か行ったことがあるが、
プロのナイトゲームは初めて。
前日は、遠足前の小学生状態。

とはいえ、
仕事はちゃんとしてますよ。

プレーボールには間に合わず、
３塁側アルプス席に陣取ったのは２回表。
席に着くなり、村田が三振。
いま思えば、
この日のゲームを象徴するようなシーンがプロローグ。

２回裏
内海が連打を浴びて早々にビハインド。
この回の内海はぼくでも打てそうだったな。
生観戦するとジャイアンツが勝てないジンクスが頭をよぎる。
いやいや、まだ２回。

４回表
坂本が初ヒット。
とりあえずノーヒットノーランは阻止。
･･･って、なんてネガティブ。
阿部も繋いだけど、村田が併殺打。
ズムサタで今週もエラそうなこと言ってたら
ＴＶの前で毒づいてやる、と心に誓う。

５回表
ヒット２本と四球と暴投があったのに無得点。
谷くん、左投手で満塁のとき打たないでどうするの。
しかし、エラーの多い試合だな。
ウチの会社の野球部みたいだ。

５〜６回は内海が三者凡退に抑える。
ぼくでも打てそうだなんて思ってしまって
スミマセン、ってカンジ。

７回表
寺内が２打席連続ヒット。
内海が送って、長野の美しいヒットで生還。
寺内くん、さっきのエラーは許すよ。
ようやく同点。
長野、盗塁失敗の後、谷、坂本が連打。
うう〜、わかりやすい結果論は語るまい。
さらに阿部が四球で満塁。
逆転のチャンスだけど、前の席の
タイガースファンがふくらませた風船で見えない。

で、村田が三振。
うしろのオバチャンが、
「アイツ、横浜に返したれ」と叫ぶ。

両チーム、チャンスをつぶし合って最終回。
マウンドには藤川。
一度、生で見たかったんだけど、
彼が出てくるってことは負けてるんだよな、
と思っていたので、得した気分。
ツーアウトから阿部の当たりはフェンス直撃の二塁打。
もう少し右だったらスタンドインだったのに、
などとしょうもないことを考える。
ＴＶで観ているときは絶対そんなこと思わないのに、
ダメだな、スタジアムに来ると。

それにしても、
オレンジ色に染まったレフトスタンドの応援はすごい。
甲子園のＧーＴ戦が異様な盛り上がりをみせるのは、
タイガースファンのせいだと思っていたけど、
どうやら、そういうことではないみたい。
それに内野指定席のジャイアンツファンも
レフトスタンドばりに応援してるのにちょっとびっくり。
東京ドームの内野席は、もう少し冷めてるでしょ。

なんて思っていたら村田が三振。
うしろのオバチャンが、
文字にするのがはばかられるようなセリフを吐く。

10回表
５番手は榎田。
ここも左できますか。
で、あっけなく三者凡退。
どっと席を立つ３塁側スタンド。
まぁ、そうだよね、電車、混みそうだし。

10回裏
代打、桧山のコールに大歓声。
やっぱり、ボールパークは夢の空間だな。
関西で生まれ、
野球が好きになって、
タイガースの応援が出来たら、
それだけで相当幸せなことなんだろうな。
ＣＳに地力で進出できなくたって、
そんなこと関係ないんだろうな。（いや、あるか）

３時間40分。
エラーあり暴投あり。
ここまでばたばたするんだったら
８−７くらいのスコアになってほしかったけど、
球場から駅に向かう人たちが、
一様に幸せそうな顔をしていたのでよしとしよう。

そして、なにより、
雨の予報をものともしないいい天気の下、
伝統の一戦を生で見られて、
おまけにマジックも１コ減ったのだから、
それだけで、充分ハッピー。

という総括で
いいですよね？