福島の特別な夏

宣誓、2011年、思い返せばあれから4カ月、
とてつもなく長く、そして、
とてつもなく短い時が流れ、
ここ、福島にも待ち遠しかった夏が
ついにやってまいりました。

東日本大震災で、被災された方々、そして、
その中にいる福島球児の仲間たちと共に、
新たな季節を迎えることができ、
いま、心から感動しています。

思い返せば、この数カ月、
ほんとうにがっかりするような嫌な思いをしました。
しかし、その一方で、ほんとうにうれしく、
感動に溢れる、人とのふれあいもありました。

そのたびに、わたしは生きててよかった、
と「生(せい)」に素直に、
感謝することができるのです。

まだまだ福島の困難は続きますが、
この特別な夏を89校の仲間たちと共に、
支え合う夏、助け合う夏、思いやる夏、
勝ち負けという枠を取り払い、
人と人とのつながりを大切にした
日本一熱い夏にすることをここに誓います。

平成23年7月13日
選手代表、学校法人松韻学園福島高等学校
硬式野球部主将、塩瀬龍


日曜日、夏の終わりを感じながら、
こんな素晴らしい宣誓で幕を開けた
昨年の高校野球福島県予選を追った
永田泰大さんの「福島の特別な夏」を読んでいた。
http://www.1101.com/fukushima/index.html

ああ、この人は高校野球が、高校球児が、
そして人が本当に好きなんだな、と思う。

19回にわたるこのレポートには、
こんなフレーズがあちこちにちりばめられている。

野球帽の「ひさし」は、
夏の終わりに一度だけ、
特別な役立ち方をする。
こういう場所に来るまで
わからなかったことがいっぱいある。
たとえば、ねぎらうのはいつだって
二桁の背番号を持つ選手だ。

興味本位の取材対象としてではなく、
本当に高校野球が好きでなければ
書けない文章だな、と思う。

・・・

19回目のレポートの最後に
添付されている画像。
全文を読んだ後だと、
ちょっと泣けます。

主催している新聞社の旗のデザインも相まって、
なんとなくあまりいいイメージがなかったこの唄が
実は切ない美しいメロディーだったことに気づく。