captain

もう10年くらい前になるだろうか。
ある大学ラグビーの名門校が、長い低迷を経て、
久しぶりに大学選手権決勝で勝った直後、
そのチームのキャプテンは円陣のなかで、
チームメイトにこう語りかけたそうだ。
「派手に喜ぶのはやめよう。敗者の気持ちを思いやろう。」と

・・・

なでしこの新キャプテンの立ち振舞いを見て、
そんな話を思い出した。

初めての世界一を手にした瞬間、
抱き合って喜ぶ仲間たちに背を向け、
相手チームのメンバーの肩をやさしく抱いていた彼女は、
もうひとつの大きな目標に手をかけた瞬間も、
ショックで座り込む相手チームのメンバーに静かに語りかけていた。

対戦相手への尊敬。
フリーキックの精度も、リーダーシップも
もちろん素晴らしいのだけれど、
この人のアスリートとしての心遣いは、
なかなか真似できるものではない。
勝ったとか、負けたとかより
もっと大切なことを知っている人だな、と思う。

・・・

思い入れの強い、自分にとって重要な競技会が続くので、
朝のトレーニング時間を確保するために(中間管理職は
夜は自由にならないのよ・泣)メダルフィーバーには
巻き込まれずに、固い意志で早寝早起きをしていたのだけれど、
この人が誇りに思うというチームが、
(引分ではない)本当の世界一を手にする瞬間は、
ライブで観ても罰はあたらないかな・・・。