悲しんでいい

高木慶子「悲しんでいい 大災害とグリーフケア」(NHK出版新書)を読む。

人間の弱さに共感し、
相手の人生を全面的に肯定する「グリーフケア」。
グリーフ(悲嘆)とは、
さまざまな喪失体験から生じる負の感情。

癒しびとが少なくなってしまったこの国で
こんな時代だからこそ定着してほしい言葉だな。


悲しみに寄りそうのに大切なのは
「評価しないこと」だという。

悲嘆にある人の気持ちをまるごと受入れ、
その人の言っていることが正しくなかったとしても、
ケアをする人はそれを評価する立場にはない
というスタンスはとても共感できる。


前を向いて行こう、という掛け声は、
人によっては、辛く感じる言葉かもしれない。

悲しみから目をそらすな、と言われたらきびしいけど
悲しんでいい、というところからスタートすると、
なんだか乗り越えられそうな気がするな。