仲間を信じて
村上晃一著「仲間を信じて ラグビーが教えてくれたもの」(岩波ジュニア新書)を読む。
口に出して言うのが気恥ずかしいようなストレートなタイトルと人選がいかにも村上さんらしい。
6名のラグビー選手の、おもに中高生時代のストーリー。
大畑大介(元日本代表WTB)
菊谷崇(日本代表キャプテン)
大東和美(Jリーグチェアマン)
井口剛志(早稲田大学4年)
林敏之(元日本代表LO)
神谷考柄(元・東大阪市立日新高校ラグビー部)
違う時代の選手たちだけど、なぜか同じ匂いがする。
努力とか一生懸命とか信頼に流行なんてないんだな。
取材を通じて、村上さんは、登場する6人に共通点があると言っている。
熱血漢の指導者がいて、厳しくも温かい大人たち、そして信頼できる仲間がいたこと。
正々堂々、まっすぐにラグビーに取り組んだこと。
悩んだこともあったけど、逃げなかったこと。
そして「自分自身を含めて大人がどう生きるか問われている気がした」と。
ちなみにこの本、電車で読むことはおすすめしない(笑)
弱視というハンディを抱えながら、仲間に支えられて高校のレギュラーとして活躍した
神谷さんのストーリー「夢みるちから」は特に・・・
「はじめに」にあるように
「どうしてラグビー選手はよく泣くのですか?」
という質問に対する答えが、この本のなかにある。
全国の中学・高校の図書館に、明日から置いてほしい1冊。