今年最初の・・・

朝から冷たい雨。
電車の窓から見えるのは色のない景色。
並んで吊革につかまる、期末試験を控えていると思われる3人の女子高生は押し黙り、それぞれの不得意科目克服に余念がない。
八ツ山橋に差しかかったとき、そのなかの一人が「あっ」と声を上げ、曇りかけた窓ガラスをライトブルーの手袋でこする。
クリアになった部分にはらはらと舞う白いものが見え、品川駅港南口側の景色が色をおびる。
読みかけの新聞を鞄にしまい、慌ててウォークマンを取り出し、中島美嘉をサーチする。
美しい恋する日本語を繋ぎ合せた歌詞に、数時間後に確実にやってくるやっかいなプレゼンのことをしばし忘れる。
ワムよりも山下達郎よりも、彼女の唄声は冬の匂いがする・・・


・・・


月明かりがあまりに美しかったので、帰宅後すぐにウインドブレーカーを着こみ、いつものランニングコースへ。
21時をすぎた国道1号は、車も少なく、いつになく空気が澄んでいる。
こんなにたくさんの星を見たのは、いつ以来だろう。
オレンジの街灯に照らされた葉の落ちた銀杏の寒そうな画が、体感温度を少し下げた気がする。
四季のある国で、走るという趣味を持っているのは、けっこう幸せなことだと思うけど、この耳の痛みだけは何とかならないものか(笑)